宝塚音楽学校96期裁判の記録(全まとめ) 事件の検証

11. その他のいじめの数々(一人部屋、メーリングリスト、授業でペアを組まない、暴言等)

一人部屋
メーリングリスト
授業でペアを組まない
暴言の数々
ナイフ、ライター
食券
ビンタ事件
その他

<一人部屋>
6月15日の大捜索のあと、6月下旬(学校側の主張は捜索の直後)に原告は4階の空き部屋に移動させられます。そこは他の部屋と違う扱いでした。

「「廊下に光が漏れている」と指摘され、部屋の電気を点けないで卓上電気だけで過ごすようになりました。空き部屋に予科生がいることで、何か問題があることを本科生に知られたくないということのようです。」「委員と寮委員から、私だけ部屋の鍵をかけないようにと命じられました。盗難事件があるため、他の寮生には鍵をかけることを奨励しているのにです。私が鍵をかけているかどうか確かめるため、時々突然ノックもなくドアを開けられたり、鍵をかけていると怒られたりしました。」(原告陳述書 H20.12.21)

なんと恐ろしい! まるで、看守に見張られている独房です。(音楽学校は「原告が寝坊するから起こしに行ってあげていたのだ」と主張しますが、原告は「寝坊しません」と主張。大体、朝以外にもドアを開けられるのだから、音楽学校の主張は的外れです。)

αは証言でこう主張します。「本人と相談して、本人が4階の部屋に移ったことはまだ本科の人には話さないほうがいいという話に、本人も含めてなったので、その部屋から明かりが漏れているのは不審だということで、本人が、光の漏れるドアのサンの部分に、内側から段ボールを貼るということをしてくれました。」

「本人」「本人」って何回も言いすぎで、あやしすぎます。精神科の件と同じで、強引に頷かせただけでしょう。電気もつけられず、ドアのサンに自ら段ボールをはらされるなんて、むごいことです。

しかも、入り口と4階しか行き来できず、他の階に行くことも禁じられていました。部屋の移動を決めたのは学校です。これはひょっとしたら、避難の意味もあったのかもしれません。しかし、その部屋をどう管理するかは、完全に委員にまかされているため、このようなことになってしまうのです。→ポイント解説 5.自治というと聞こえはいいけれど

<メーリングリスト>
全員に連絡するとき便利なので、同期内でメーリングリストが作られていました。しかし、二種類あり、一つは予科生全員40名が、もう一つは原告をのぞく39名が入っていたのです。

α証言「原告本人が、そういう中学時代の話をして、自分をこれから監視してほしい、という話が、本人の口からあったので、例えば本人が気づかないうちにそういうことをしていたら、このメーリングリストで回して、みんなで見ていてあげようという理由で作りました。」原告代理人「よく理解できません。」

O証言「原告の件について話し合いをするときに、召集を掛ける手段がなかったので、必要と思って作っていました」…全く理解できません。

本人に関する話を本人抜きでって、いじめ以外の何だと言うのでしょうか

<授業でペアを組まない>
・授業中、歌や演技が下手だとみんなで目を合わせて笑ったり、みんなで目を合わせていやな顔をする。
・授業中にらんでくる。
・演劇や英会話でのゲームはいつも一人。
・茶道の授業で、私が立てたお茶を誰も飲もうとしない。
(以上、原告陳述書 H20.12.21)

もちろん、先生は注意します。でも、先生の注意には何の実行力もないのです。→ポイント解説 4.音楽学校は「学校」じゃない

音楽学校は「最終的には組んでいた」と主張しますが、嫌がった末に組んだのは、やはり「いじめ」でしょう。

ほかに、修学旅行の部屋割が行われた際、同期生たちは原告と同じ部屋にならないように祈り、同じ部屋になった生徒は「えー」と嫌がったりもしています(原告の母親のメモより)。

<暴言の数々>
「(郷里)に帰って出てくるな」(B)
・「あんたのせいで大変な目にあっている。怒られる」「劇団を潰そうとしているのか」(α、B、R、JJ)
・「何であんただけ(授業を)楽しそうに受けているんだ」「ムカつく」「笑うな」「調子にのるな」(特にJ、Y、N、P)
・「修学旅行に来るな」「自習に出るな」(多くの生徒)
(以上、原告陳述書H20.12.21)

・「先生にいじめられてますアピールするんじゃねえよ」
(原告陳述書H22.3.31)

以下は原告母メモから。
・「自主練に出るな」(Y、II)
・(洗濯の件で原告が謝罪のメールをしたところ)「顔文字使ってるとか、なめてるんですかー? 謝罪求めてないんですけどー」(N、L、CC、V、J、Y)
「存在を消して」(JJ)
・(洗濯の件で)「作業場には来るな」(O、R、α、M、X、LL、AA)
「いじめがあるみたいだから笑え」(笑うと)「何楽しそうにやっているんだ」(B)…ヤクザかっつーの。
・(貴重品を預けると)「なんであんたが預けるの、あんたのためにこんなことしてるのに」(K)
「死ねばいいのに」(Y)
・「あんたを見張ってないといけないから私は自主練もできない」(α)
・(10月30日の本科への説明後、原告がゴミ当番で外に出たらαが)「皆さん、笑って聞いて下さい〜、本科生が、原告に外の空気を吸わせるために、予科は原告を外に出してあげてえらいねーって言ってました」恐ろしすぎる!!!
・「自分が失敗だと認めなくても39人が失敗だと思ったら失敗だ」(α)
・「次に一度でも失敗したら二度と(洗濯機を)使わないで」(α、M)

しかし、「いじめ」があるっていう認識なんですね、彼ら。「原告のため」「原告本人が」と言っておきながら、本当はいじめであるとわかっているからこそ、「いじめられてますアピールすんじゃねえ」とか「いじめがあるみたいだから笑え」になるんでしょう。ヤクザが人を脅しながら「これは恐喝じゃないよな?」と被害者に言う場面そっくりです

ちなみに、Wさんの陳述書にも、こうした暴言を目撃したことが書いてあり、決して原告側のねつ造でないことがわかります。「(質問)話し合いの最中、原告に対し「存在を消して」「死ねばいいのに」「視界に入るな」「自主連に出るな」「謝れ」「弁償しろ」等と発言をする同期生がいましたか。あるいはどのような発言がなされたか記憶にあれば答えて下さい。」「(回答)いました。「もう同期じゃない」「かばいきれない」「ふざけるな」など、みんなが独り言を言うように、次々と言っていました。私は一言も言っていません。」

<ナイフ、ライター>
かなり初期の頃、原告が大量のナイフやライターを持ち歩いているとされたことがありました。

「数名の生徒が、私が「カバンの中にいつも大量のナイフ・ライターを持ち歩いている」「寮室にナイフ及び複数のライターを所持している」と学校に報告したようでした。私は、寮室に果物ナイフとライターを置いていますが、持ち歩いたことはありませんでした。ライターはトゥシューズのリボンのほつれを焼くために必需品として他の生徒も所持しています。」「事務長は私を職員室に呼び、私のカバンの中身を全て外に出させて確認しましたが、当然ナイフやライターは出てきませんでした。その際先生は「おかしいな」と言っていました。」「確認できなかったと報告を受けた生徒は、次に「別のカバンに入っていた」と当初の報告の内容を翻したようですが、全てウソの話です。」(原告陳述書 H20.12.26)

αは証言でこれを否定します。「(原告代理人)ライターというのは、生徒はふだん持っているものなんでしょうか」「(α)持っていません。」「(原)部屋にも置いていないんですか。」「(優)部屋に置いている者もいたと思いますが、ほとんどいなかったと思います。」ほどけてしまったときは、持っている生徒に借りるのだそうです。(じゃあ、持ってる人もそこそこいるってことでは?)「(原)(ナイフやライターについて)原告から事情を聞いたことがありますか」「(優)はい」「(原)それは事実でしたか」「(優)はい」「(原)かばんの中から大量のナイフやライターが出てきたんですか。」「(優)はい。」ウソつけーー。

<食券>
原告が、食券なしでお弁当を食べたと問題にされた件です。

「学校でお弁当を食べようとする場合、朝に寮で名前を書いた食券を提出し、弁当係がそれを学校に持っていって名簿にチェックし、職員がそれに従って弁当を外部の業者に注文することになっています。」「私はその日も食券を出し、ノートにチェックしてあるのを確認していました。ところがその後、予科ルームに私の食券が数枚しわくちゃになって捨ててありました。私は誰かが私の食券を隠して捨て、私が食券で注文をしていないように仕組んだと思いました。落ちていた食券は他の生徒も見ていたはずですが、委員は先生にそのような事件があったことを報告せず、私が食券を出さずに他の生徒の弁当を食べたと報告しました。」(原告陳述書 H20.12.26)

弁当係はDとEです。

<ビンタ事件>
Pが証言で語りだした事件で、原告は全く問題にしていませんでした。Wさんの陳述書で触れられていたので、急遽浮上した話題です。

スプレー事件が起きる前ごろ、予科ルームでの話し合いの最中に、Pが原告のほおをひっぱたいたのだそうです。原告が親にきちんと(盗癖など?を)相談すると約束して、明るい雰囲気になったのに、じつは電話をかけたふりをしただけだったことがわかってショックだった、とのこと。「96期生としてここに集まれた40人は運命だと思っていて」「私は最後まで原告を信じていました。」その後、Pは反省して原告に謝罪のメールを送ったそうです。

他の悲惨な事件に比べたらどうということもない内容ですが、96期生が集団ヒステリー状態に陥っていたということがわかるエピソードです。

<その他>
・日曜以外の買物禁止
・JとPが原告のロッカー前にお菓子を置いて、拾うのを待っている。(拾ったら「盗んだ」と騒ぐため)
・他の生徒のお菓子を勝手に食べていた、とMMとKが報告。
・原告が用事で予科ルームに行ったら誰もいなかった。その後、一人で予科ルームに入ったことを知った同期は、自分の持ち物を確認しはじめた
・昼休みに寝ていたら、AAに写メをとられ、メーリングリストで回された。
・αが原告の部屋に来たとき、たまたま空気の入れ替えのために窓とカーテンをあけていたため、αが怒り、寮委員三人が来た。Y、HH、Nにもキレられた。(「外から見られないように窓をあけない」というルールがあるが、空気の入れ替え程度で激怒されるのは原告だけ)
・朝三時まで寮委員三人とα、C、AAにお説教された。

12. 強制送還 へ

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