宝塚音楽学校96期裁判の記録(全まとめ)

時系列:仮処分〜調停

これ以前は⇒「退学処分まで」
平成20(2008)年
12月5日
原告、生徒としての地位を確保するための仮処分命令を、神戸地裁に申立て。
  学校は原告の部屋から持ち物を送り返す。その際、新たに「盗品」が発見されたとする
平成21(2009)年
1月6日
仮処分決定。原告の主張が通り、神戸地裁は原告に生徒としての地位を認める。
平成21年 1月9日 事務長、財布の持ち主に初めて連絡を取る。
平成21年1月16日 学校、仮処分決定が不服なのか、財布の件等を追加して、二度目の職員会議。今度はメンバーに講師を追加。
平成21年1月17日 二度目の退学通知。
平成21年1月21日 原告、二度目の退学処分に対抗して、仮処分命令申立。生徒としての地位保全のほかに、授業を受けることを拒否するな、という条項を追加。
この頃 学校は他の96期生やその保護者に、原告の復学を拒否することに賛成するか確認をとる。
平成21年1月23日 学校、一度目の仮処分に対し異議申立て。
平成21年1月29日 二度目の仮処分決定。二度目も原告の主張が認められる。
  原告の母親、財布の持ち主に会い、盗まれたと思っていないことを知らされる。
平成21年2月7日 原告と母親、事前予告のうえ登校するが、学校職員、学校側弁護士らに「登校拒絶」と大声で威嚇され、学校内に入れず。
平成21年2月10日 原告、1日あたり1万円の間接強制の申立て。(間接強制=お金を払えと命じることでプレッシャーをかけて、義務を履行させようとする方法)
平成21年2月27日 原告と原告代理人も財布の持ち主に会い、原告は財布を直ぐに届けなかったことを持ち主に謝罪。財布の持ち主は、退学処分の理由になっているという職員会議議事録を見て、心外に思う。原告代理人は聞き取り書を午後の審尋に提出。
平成21年4月30日 学校は財布の持ち主からの聞き取り書を作成するが、「盗まれたとは思っていない」という肝心の部分を不作為で記述せず
 以後 一度目、二度目の仮処分に対する異議申立てや、間接強制申立てに対する抗告など、学校側は何度も抵抗を試みるが、その都度却下される。音楽学校は、何としてでも原告を復学させたくないため、間接強制で執行された金額を支払っている(5月26日に13万、7月18日に50万、10月19日に49万)。
平成21年8月17日 大阪高裁で最終的に学校の主張が退けられ、仮処分命令が確定。
平成21年10月1日 学校から裁判所に対し、起訴命令(本訴を起こせ)の申立て。
平成21年11月1日 本訴に至ることを躊躇していた原告だが、このままでは仮処分が無駄になるため、地位確認と一千万円の損害賠償(うち慰謝料が300万、将来の収入が700万)を求めて訴状を神戸地裁に提出。翌日、訴状は受理される。
平成21年11月11日 学校はHPに「いじめの問題ではございません。」「当校の正当性は裁判の場で主張してまいります」とコメントを掲載。
平成21年11月12日 週刊新潮(2009.11.19号 通号2719)にこの裁判に関する記事が掲載される。
平成21年12月3日 96期生WさんのブログのURLが第三者により宝塚関係の掲示板にさらされる。いじめが存在していたとわかる記事があり、ファンは騒然となる。Wさんは自宅謹慎となる。
平成21年12月15日 雪組二番手彩吹真央退団発表。ファンの目を逸らす作戦かと噂される。
平成21年12月17日 第1回口頭弁論期日。学校は、コンビニの防犯ビデオが警察にあるとして、文書等提出命令の申立。
  原告への応援メッセージを募るサイト「Sさんへの応援メッセージ」が開設される。
平成21年12月25日 Wさん、学校から退学処分にすると脅され、自主退学を選ぶ。
平成22(2010)年
1月4〜6日
防犯ビデオが警察からコンビニに戻され、コンビニから裁判所に提出される。平成20年9月時点で、原告が頼んでも見せてもらえなかったビデオを、学校の依頼により警察が入手していたということであり、劇団と警察の癒着が明らかになる。
平成22年1月21日 弁論準備手続。証人尋問の日時を決定。音楽学校が提示した証人が予想外に多く、無意味な証人も含まれるため、持ち時間を超えない時間制で行うことになった。また、音楽学校は、予科ルームや寮、大劇場、コンビニでの現場検証をしたいと言い出す(結局、現場検証は認められず)。
平成22年3月1日 96期生が卒業、宝塚歌劇団に入団。
平成22年3月18日 第2回口頭弁論期日。生徒7人(DDFFEFαRK)が証言。
平成22年3月31日 原告側、Wさんの回答書を提出。
平成22年4月1日 第3回口頭弁論期日。生徒6人(X、P、OUDDL)と、財布の持ち主が証言。
同日 小林公平、健康上の理由で音楽学校校長退任。
平成22年4月2日 第4回口頭弁論期日。原告の学生時代の先生、原告の母親、今西副校長樫原事務長、原告が証言。結審。
平成22年4月13日 第1回和解期日(電話会議)。
平成22年4月16日 96期生、初舞台を踏む。
  原告の叔父、原告を精神科に連れて行ったことなどないという陳述書を提出。
平成22年5月1日 小林公平死去。
平成22年5月7日 第2回和解期日(電話会議)。
平成22年5月25日 第3回和解期日(電話会議)。当初6月18日に予定されていた判決が、7月20日に延期になる。
平成22年6月18日 第4回和解期日(電話会議)。
平成22年6月30日 第5回和解期日(電話会議)。
平成22年7月6日 7月14日に調停に付されることが、原告代理人から「Sさんへの応援メッセージ」に伝えられる。
平成22年7月13日 96期首席Oが大抜擢で新人公演ヒロインを演じる。
平成22年7月14日 調停。原告に生徒としての地位を認め、卒業資格を与える、ただし入団はしない、という内容で、それ以外の調停内容は、謝罪があったかどうかも含めて、音楽学校の要請により、非公開。原告代理人、原告母、兵庫県弁護士会会館で記者会見。
  学校はHPに「良心に従って証言した生徒が誹謗中傷の被害を受けた」とコメントを掲載し、謝罪の記者会見などは一切なし。副校長、事務長の更迭や、学校の体制改善もなされていない。
平成23年1月 雪組公演『ロミオとジュリエット』でOがWキャストでヒロインを演じる。トップ男役のお披露目でトップ娘役を置かずに研究科1年生を抜擢することは異例。心労のせいか途中休演した。
平成23年12月 Wさん、98期に復学。
平成24年2月 Wさん、98期の文化祭に出演。
平成24年3月 Wさん、次席という優秀な成績で音楽学校を卒業するも、劇団への入団は果たせず。
平成24年8月31日 入団当初から休演しがちだった96期生Pが、集合日付でひっそりと退団。
inserted by FC2 system